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June 30, 2006

バフェットさんと森生さん

昨晩のブログでウォーレン・バフェットさんのことを書き、併せて森生文乃さんマンガについて触れたのですが、その森生さんのブログを見ると、バフェットさんのことでフジテレビからインタビューを受けたようですね。有名な投資家のことですから、投資のことや経済のことで、バフェットさんに詳しい専門家の方はたくさんいらっしゃるでしょうに、本を出しているとは言え、こういう人物のことについてマンガ家にインタビューとはおもしろい、と思いました。個人的に森生さんを存じ上げている私としてはやったぁ、という感じです。

まぁ、マンガとは言え、バフェットさんの人生について、経営について、そして何よりも魅力的な人となりについて描かれているわけですから、そういう意味ではバフェットさんについて精通した人として見られていて当然と言えば当然なのですが、私はそれとは別に、他の投資や経済の専門家以上に、森生さんがバフェットさんを語るに相応しい人だろうと思う点がひとつあります。それは、森生さんはバフェットさんの冗談交じりのたとえ話が持つおもしろさをよくわかる人と思うからです。バフェットさんはユーモア好きな方なのですが、どうも彼特有のユーモアはあまりよく理解されていないようです。ところがある時森生さんは彼のユーモラスな発言をゲラゲラ笑いながら私に話してくれたことがあります。そのことは彼女のマンガの中でも取り上げられているのですが、つまり、私は、森生さんはバフェットさんに通じる感性を持ち合わせている人なのではないかと思うのです。こうした感性を共有せずして投資のことや株の話ばかりしたところでそれはバフェットさんの本質を理解しての発言とは言えないでしょう。

バフェットさんのユーモアとは? 例えば、私が気に入っているものにこんなのがあります。

"Rule No. 1: Never lose money. Rule No. 2: Never forget rule No. 1."

<成功法則その1: 絶対にお金を失くすようなことをしてはならない。成功法則その2: 絶対に成功法則その1を忘れてはならない。>

"Wall Street is the only place that people ride to in a Rolls Royce to get advice from those who take the subway."

<ウォール街とは他ではあり得ない特別な所で、ロールスロイスに乗ってそこへやって来る人が、地下鉄に乗ってそこへやって来る人から金儲けについて教わる所なんだ。>

そして、森生さんがマンガで取り上げたのが次の発言。

"It's only when the tide goes out that you learn who's been swimming naked."

<潮が満ちてみんなが海で泳いでいる時にはわからないが、潮が引くとどの人が素っ裸で泳いでいたかわかるものだ。>

海に入って泳いでいる時には誰がどんな格好をしているかわかりませんね。素敵な水着を着けていようと、素っ裸でいようとわからないわけです。ところが水が引いてしまうと、どんな格好をしていたかがはっきりとわかる。素っ裸でみっともない格好をしていた人はそれが明らかになってしまうわけです。同じように、景気がよかったり、ブームが来ている時は誰もが波にのって同じ様にいい思いをしたりするでしょう。が、景気が悪かったり、ブームが去ってしまった時にこそ、本当にその人がどういうことをしてきたかが明らかになる、ということでしょう。ただ波に乗っていただけだったのか、或いは大きな波が来ている時も、絶えず次に備えて地道に努力を重ねていたのか、更に或いは、怪しいことをして誤魔化していただけなのか……。何れにしても、この発言は視覚的に非常に強烈なイメージがありますね。そして森生さんはそのイメージをそのままおもしろいマンガに描いてくれたのです。

ところが、残念なことに、森生さんのマンガが英語化されるに当って、このエピソードはカットされて、他の、説明的なバフェットさんの経歴に差し替えられていました。恐らくは編集者の方が、バフェットさんのユーモアとそこに含まれるマーケットや投資家の深い本質がわからなかったのでしょうかね。私はこういう言葉にこそバフェットさんの哲学——成功の秘密が隠されているように思うのですが。

そう言えば、バフェットさん自身は、人は自分の言っていることを実践しようとはしない、何故ならそれがあまりにも当たり前のことが多く、一方人はすぐに効果的にお金を儲けることができる方法を求めるからだ、というようなことも言っています。更に、「当たり前のこと」と言えば、人間というのは、簡単なことをわざわざ難しく考えようとするひねくれた傾向があるものだ、とも言っていますね。

昨日のブログで、バフェットさんの成功はキリスト教的宗教観、倫理観に支えられていると書きましたが、今日帰りに立ち寄った本屋でバフェットさんについて書かれた本を何冊か見てみましたら、やはりどの本にも、彼の哲学や理念(何れも英語では "philosophy")に重きを置いて書いてありましたね。やはり彼の成功は、敬虔なキリスト教的な普通の生活の上に成り立っているのですね。

投資投資と、日本でもネットトレーディングの発達で投資がブームになってますが、もともと投資を表す英語 "invest" とは「いい服を着せる」ということです。青年が社会に出るに当って、成功するようにと親がいい服を着せて送り出してあげたことに由来する言葉です。そういう、愛し育てるという感覚が投資には必要なようです。何れその青年は成功して親孝行することになるかもしれない。しかし、親は親孝行してもらうことを期待して子供を育て、お金をかけるわけではありませんね。投資にも同じことが言えるようです。

バフェットさんの言葉。

"If a business does well, the stock eventually follows."

<事業がうまくいくようにすること。事業がうまく行っていれば、自然と株価は上がるものだ。>

今回のバフェットさんのニュースが、何故投資をするのか、どこに投資をしようとするのかを、もう一度考え直す機会になればと思うのです。


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