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June 29, 2006

やっぱりバフェットさんはスゴイ!〜アメリカ的お金儲けとは?

つい先日、有名な投資家のウォーレン・バフェットさんが、自己の資産の85%に当る440億ドルを寄附したというニュースが流れ、注目を集めました。私には、森生文乃さんマンガでお馴染みで、親しみを覚える人であり、このニュースの映像を見ていて、「さすが!」と微笑ましく思ったのでした。世界第2位の富豪のバフェットさんが世界第1位の富豪のビル・ゲイツさんの財団に寄附したというのは、見る人によっては、金持ち同士がつるんでいるようでおもしろくないかもしれませんが、どうしてどうして! ビル・ゲイツさんもその資産をいろいろと寄附している人ですが、実は、これはいかにもアメリカ的、資本主義的な行動なのです。

社会学者のマックス・ヴェーバーは有名な『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』で、アメリカという国を創った清教徒たちが、彼らの信仰心に基づき、他人の幸せのためにまじめに働いたことが資本主義を育てたということを明らかにしました。つまり、まじめに働けば自然とお金は稼げるのであり、その稼いだお金を他の人たちに再分配することが、神への感謝の表現であったというのです。こうして、本来資本主義とはキリスト教と一体のものであるわけです。

前にも書きましたが、バフェットさんは、どうやったらそんなに儲かるのか、どうやったら値上がりする株を見分けられるのかとの質問に、自分はただ、これから世の中の役に立つことをやっているのに過小評価されている企業に投資しているだけだ、と答えています。つまり、彼の投資の背景にあるのは、お金儲けということよりも、世の中の役に立つ、或いは世の中に必要な事業を育てようという気持ちであると言えます。それはきっと彼の宗教観や倫理観から来ているものなのでしょう。私が寄附のニュースに微笑ましく思ったのは、その寄附という行為に彼の一貫した生き方を見たからです。しかも、母数が大きいとは言え、資産の85%というのは、やっぱりスゴイ。儲けたもののうち、自分に必要のない分は全て神に返す、ということなのではないでしょうか。日本のお金持ちでこんな寄附の仕方をする人はいないんじゃないでしょうか。

日本のお金持ち、と書いてすぐに思い出すのが最近の堀江さんや村上さんの事件ですね。私たちがこの人たちの事件を不愉快に思うのは、実は、彼らのお金儲けの背景に、バフェットさんのような倫理観や宗教観を感じないからではないでしょうか。堀江さんに至っては、愛すらお金で買えるというような発言をしていましたね。いえ、堀江さんや村上さんに限らず、私たち日本人はお金儲けとか、資本主義という時に、どれだけこうした精神的なことを意識しているでしょう。私たちはアメリカ的資本主義という時に、非常にクールでドライなイメージを抱いてしまいますが、実はアメリカ的資本主義とはこうしてキリスト教的宗教観、倫理観と一体のものであることを忘れてはならないと思います。そして、そういう精神的崇高さを忘れたお金儲けというのは、結局は人の共感を得られないのではないでしょうか。

村上さんの事件でいろいろ騒がれている時期に伝わってきたこのニュースはどこかさわやかであり、同じ投資家でありながらその人物の大きさの違いをまざまざと見せつけられたような気がします。

最後に、バフェットさんのことをもっと知りたいという方のために、先程の森生さんの本をご紹介しておきます。森生文乃著『マンガ ウォーレン・バフェット〜世界一おもしろい投資家の世界一もうかる成功のルール』(パンローリング 2003)です。私が最初にバフェットさんのことを知ったのは日経かどこかから出ている本ででしたが、森生さんのマンガはバフェットさんの魅力を知るには最適だと思います。それかあらぬか、好評のあまり海外で英語版も出版されています。お薦めです。


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