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August 01, 2007

セカンドライフと成功物語〜ホレイショ・アルジャーとわらしべ長者

7月30日の昼過ぎから始まったセカンドライフの障害は、アメリカの時間で7月31日の午後5:01、日本では今日の午前11:01頃ひとまず解消したようですね。一体何が問題だったのか、リンデン・ラボのブログによると、最終的には、設定に誤りがあった、不幸な人的ミスである、と結論付けています。

まぁ、とりあえずこれで今日は順調に動いていますので、早速いろいろ試してみます。まずは今回のトラブルで消えてしまった15リンデン・ドル(今後、セカンドライフの記事では、ただ「ドル」と書くことにします。昨日のレートで大体L$277.00/US$になります。)を取り戻すべく、再びブラジル(Ilha Bahia)へ! そこで1時間太鼓を叩いて15ドル取り戻しました。それから、毎日、何か新しいことをしたいですからね。というわけで、やはりミュージシャンですから、今日はあちこち楽器を見て回りました。楽器がないとやっぱり仕事にならない。(笑 で、ある楽器屋はなかなか面白かったですね。ストラトキャスターのギターは大体500ドルくらい。うーん、欲しいけど高いな。今まだ65ドルくらいしか持っていないからね。これは何とかして手に入れたいのだ。そのストラトキャスターに並んでシタールなんかもある。やっぱり500ドル。DJ用のブラック・ディスクのターンテーブルは90ドルくらい。あ、シンセもある! これはどれも200ドルくらい。ストラトもそうだったけれどこの楽器屋はなかなかデザインがしっかりしていて、シンセはどう見てもコルグ、どう見てもヤマハ、どう見てもノルトリード、というなかなかリアルなもので、極めつけはどう見ても昔冨田勲さんやキース・エマーソンが使ってたみたいなタンスのようなモーグのシンセでしたね。試奏してみましたが、音は出ないものの、アニメーションがついていて、私は弾きながらシンセのパッチ(配線)を差し替えたりして、動きがなかなかリアルなので気に入りました。本物のモーグは買えそうにないですけれど、セカンドライフの世界で、こいつは絶対手に入れようと思いました。(笑 で、改造して音が出るようにしようと。

ところで、先程「今日は昨日とは違うことをしよう」みたいなことを書きましたけれども、これがセカンドライフの面白いところではないでしょうか。セカンドライフは全てが予めプログラムされたコンピュータ・ゲームとは一線を画しています。自分(のアバター)がどのような人間になっていくのか、どのように生きたいのか、全て自分で創っていくことが必要な世界なのです。どんな商品を創りたいのか、どんな建物に住んだり仕事したりしたいのか、どんな街を、社会を創りたいのか、全て0から、人との出会いを繰り返していく中で自ら創り出していく世界なのです。そこには必然的にクリエイター的、或いはアントレプレナー的な資質が必要とされていると言えます。逆に言うと、何かを生み出したいと思っている人には、これほど面白い世界はないとも言えます。

そう、全て0からスタートするのです。前にも書きましたが、手持ちのお金0、着ているものはジーパンとTシャツでベルトもない、みたいなところから始まるのです。そんなところから始めてクリエイティブなセレブとして成功している人たちも多いのだから、これはビジネスとして考えても、人生設計と考えても、実にリアルな実験、モデルになると言えますね。

と、ここ数日セカンドライフをやっていて思い出したのがホレイショ・アルジャーの Rugged Dick という、19世紀後半のアメリカで大ヒットした小説です。"Rugged Dick" とはぼろぼろの穴の空いた服を着た主人公の少年ディックのことなんですが、靴磨きの仕事をするディックは、その正直で明るく、勇気もある性格から、その仕事を通じていろんな人に気に入られ、最後には成功するという、正にアメリカ人の心の中にあるアメリカン・ドリームを描いた作品なのですが、これが、真面目に働けば自然とお金持ちになる、お金持ちになったら自分が稼いだものを社会に還元して次の人がより豊かになるように生きるという、プロテスタント精神と重なることは言うまでもありません。セカンドライフ→おんぼろディック→マックス・ヴェーバーと連想して、いかにもアメリカ発らしいしくみだなぁ、と思ったのでした。

そして更に連想が進んで思い出したのが「わらしべ長者」という日本の昔話。これはお金もなく仕事もない男が、どうしたものかと観音様のところに行ったら「今から歩き始めて最初に手にしたものを大切に持っていなさい」というお告げがあり、これはありがたや、と歩き始めたらいきなり躓いて、思わず藁を掴んでいた、という話ですね。で、こんなもん持っててもなぁ、と思いながらその藁を振り回しながら歩いていると
そこに蝿だか虻だかが留まり、ブンブン言うその藁を持って更に歩いていると大泣きしていた子供がそれを見て笑い出し、欲しがるのを見て、母親がその藁をみかんと交換してくれと言う。仕方なくみかんと交換して今度はみかんを持って歩いていくと、今度は喉が渇いている商人と出会い、そのみかんと反物を換えてくれと言う……というような感じで交換交換を繰り返して最後には長者になったというお話。

セカンドライフではお金がなくても生きていけますが、それではただ世界の中をうろうろするだけで終ってしまいます。何かしようとするとお金が要ります。が、0から始めて、どうやってお金を手に入れるかとなれば、これはもう、誰かに雇われて時間でお金を貰うか、物を売るしかないですね。自分には何が売れるか、売れるものがあるのか? そんな時このわらしべ長者の物語が思い出されるのです。自分は何も持っていないと思っても、他の人には必要な何かがあるかもしれない。その何かに気づいた時からビジネスというのは始まるのかもしれませんね。

たかがゲーム、と一方では思いながら、真剣に何を売ろう、何を創ろう、と真剣に考えている自分に気づきました。自分の分身であるアバターには豊かに生きていってもらいたいものです。と、ふと、現実に戻るのです。自分は現実の世界でどのように生きていきたいのか、何を売ったり創ったりして世の中の役に立っていこうとしているのか。

それがセカンドライフほど真剣に考えられないのは、案外、中途半端にお金があるからなのかもしれないですね。セカンドライフのアバターのように、或いはわらしべ長者の主人公の男のように、何もないところにいる方が、仕事のこと、生きることを真剣に考えられるのかもしれません。

さて、次は何をやろう?
それでは、また。


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